院長のブログ

(253)5月の呼吸器勉強会

今月も呼吸器勉強会がありました。出席者は少なめでしたが、今回も佐々木信一先生の圧巻の実になる講演でした。出席出来なかったS先生のために、その骨子をまとめます。

  1. 治療必要なMAC症例→大学病院へ送り精査、気管支鏡、薬物感受性精査の方針。
  2. IFP初期、KL-61800と高値。女性の場合は乳癌も精査を。KL-6のKはkrebs(癌)、Lはlungen(肺)を意味し、IPF以外にも乳癌、肺癌でも上昇する。女性の場合、乳房精査は必須。
  3. 高齢COP(器質化肺炎)→超高齢のため、ステロイドは使いにくい。骨粗鬆症などによる骨折を起こすため。EM(エリスロマイシン)少量投与で免疫機能改善を図ったらどうか。
    ※COPではSP-Dが高く、KL-6は上昇しない。大事な鑑別点である。
  4. IFP,誤嚥を繰り返す高齢者→マクロライドとPPI投与へ
    ※microaspirationを来たす高齢にはクラリスとタケプロンODなどのPPIが良い。
  5. 15歳若年者の肋骨腫瘍→癌研整形外科ご依頼の方針
  6. 奥村部長から肺腺癌の最新のTNM分類と切除について
  7. 佐々木准教授から圧巻の講演:皮膚筋炎(DM)による間質性肺炎

 〜特に急速進行性間質性肺炎(RFIP)について

  1. 致死的疾患で中年女性に多い。
  2. 一度スリガラス陰影が出るとDAD(びまん性肺胞障害)を意味し、救命不可能。
  3. MDA-5抗体陽性である。
  4. 背中、四肢伸側に赤い発疹、手の発疹、全身筋肉痛
  5. CK上昇しないが、絶対に帰してはならない。順天堂浦安に緊急搬送すべき
  6. 両側目の充血、眼頭の発赤
  7. 最初、NSIPパターンの下肺野に小陰影
  8. この時点で、タクロリムス、ステロイドパルス、血漿交換の3者併用する。
  9. スリガラスが出ると死亡する。
  10. 重篤感、倦怠感が強い。

※こうした筋症状に乏しい(CKが上昇しない)皮膚筋炎は、clinically amyopathic dermatomyositis(CADM)といわれ、一刻を争う急速進行性間質性肺炎が多く注意を必要とする。以上


 

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