院長のブログ

(21)抗凝固療法について

心房細動と言う不整脈が今、増えています。

高名な循環器内科S教授によると、この不整脈は身長やBMI(体重)に比例して増えているようです。つまり、欧米型の体格のいい人に起こりやすいと言えます。

多くは高血圧や動脈硬化症、糖尿病に合併して中年以降の高年齢者に起こるのですが、若年者では前述の様な体型の人は要注意です。そしてこの不整脈で最も怖いのは血栓という血の固まりが左心房という所に出来て脳の血管へ飛んで、その血管を塞いでしまうこと(塞栓症と言います)です。これによって脳梗塞(血液が流れないために一部の神経組織が死んでしまうこと)が起きます。死の原因となり得ます。

心房細動がいつもある人は勿論ですが、たまにしか起こらない人(発作性心房細動と言います)でも要注意です。私も他科(心臓外科)の例でみたことがあります。普段は心臓外科に通院している患者さんです。その時の担当心臓外科医は全て忘れているでしょうが、私はその中年女性の顔まで覚えています。こういう例は直ぐに内科に押し付けられますが。普段は不整脈の無い人が、病院に担ぎ込まれてきた時はたまたま起きた心房細動からの脳塞栓症で広範脳梗塞を起こし、意識は戻らぬまま亡くなりました。如何に血栓・塞栓症は怖いか、抗凝固療法が大事かを思い知らされる例です。これなど診ているとCHADSスコア(抗凝固薬投与の目安となるスコア)が0でもワルファリン等の抗凝固薬の投与が必要であるということが示唆されると思います。

次号へ続く

「院長のブログ」一覧に戻る